△BACK△「きれいなものを」
夜のようなところにいた君が
まるできれいなものを見るように
僕を愛してくれるので
僕は少し辛くなって
繋いだ手を揺する
「そんなに、まぶしいものをみるように
こっちをみなくて大丈夫だよ」
そんな声に揺らいでくれないくらい
君が微妙なのも知ってるから
かわりに、かわりに
手を揺する
そんなに、まぶしいものを見るように
こっちを見なくて大丈夫だよ。
僕はたとえば、
日本海に落ちる紙風船のような夕陽でもなくて
冬のなんだか暖かそうに見える街灯でもなくて
冷えた夜に輪を作る、さえざえとした月でも、なくて
35.6度の平均体温の
ただのひとだよ。
そんな声に揺らいでくれないの
知ってるから
、
ゆらゆらと手を揺する
まぶしいものをみるように
きれいなものを見るように、
こっちを見なくて大丈夫だよ
僕はただただ、君を好きなひとだよ
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