△BACK△「しつれん」
蛍光のマフラー、もう消えない残像
それにまだらをつくる雪、もう少しでバスが来ること。
雪梅の下
君が笑った。頬が赤くて、前を向いた。
歌うのなら、その日のことを
おさなくても、その日のことを
雨は
虹を作ってはくれなくて
まだ
手を繋ぐしかしらない
クッキーの
焦げた匂いのする秋
僕たちはしつれんをしてしまったので
しつれん、と
それについてはなした
まだきっちりしたこともしらない
白色のダッフル、あめ色のタイヤ が
かけぬける汚濁に、ぬらされた横顔。
雪梅の下
君が笑った。しょうがないね、前を向いて
歌うのなら、その日のことを。
拙いので、その日のことを。
雪は午前午後かまわず降り続いたらしくて、バスがくるまでもう少し
まだしらない こい うしなうこと 恋のこと 失ということ なんて ね
ぼくは
夏にラムネをあけると
約束を
繰り返した
君は
ヨーヨーを釣ると
指切りをした
まだきちりとしたこともしらない
赤い糸ももちろんしらないのだと
笑った君も笑った
似てる、とおもった。
十字路の信号、もう消えない残像
くるとこないをまだらにする雪
雪梅の下
君が笑った じゃあねと思って僕も笑った
歌うのなら、その日のことを
それがどうでも、その日のことを。
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